2023年11月21日(火)
定員30名
セミナーの内容
  • MTSSの病態理解
  • 機能解剖学に則ったセルフケア
  • MTSSに対する運動療法
  • 状態改善の補助となるギアの選択
  • シューズへの介入方法
  • インソール作製の実際

脛骨内側ストレス症候群(MTSS)とは

 脛骨内側ストレス症候群(medial tibial stress syndrome)は、古くは次のように定義され、シンスプリント(shin splint)ともよばれていました。

硬い路面でのランニングや足底筋の過負荷によって誘発される下腿の違和感や疼痛であり、コンパートメント症候群や疲労骨折を除いたもの

America Medical Association(1966)

 以前は、筋付着部(骨膜)への牽引ストレスによって生じるものとされていましたが、骨膜への牽引ストレスだけでなく骨そのものへのストレスによっても生じるといわれています。

 現在では、MTSSは骨へのストレスに起因して発生し、骨膜へのストレスが障害を悪化させると考えられています。

 リハビリテーションを進めていくことで多くの症例は改善する一方で、遷延化例や再発例、疲労骨折に至る症例も存在します。

SKILL UP! 私のアプローチをお伝えします

遷延化例や再発例を改善に導くためには、MTSSの病態の理解が必須です。セミナー内でMTSSの病態について詳しく解説します。

MTSSの原因組織

 MTSSは「脛骨の内側が痛い」という症状の描写でしかないため、その定義は曖昧で文献によってさまざまです。

 現在考えられているMTSSの原因組織として次のものが挙げられます。

  • 骨膜炎(Periostitis)
  • 疲労性骨障害(Stress Reaction)
  • 筋の過用(Muscular Overuse)、慢性疲労(Chronic Fatigue)
  • 筋膜過負荷(Myofascial Overuse)

(運動療法 その前に! 運動器の臨床解剖アトラス p253より引用)

SKILL UP! 私のアプローチをお伝えします

 MTSSへの効果的な治療介入のためには、どの組織に過剰なストレスが加わっているのかを整理して評価することが大切になります。

 それぞれの原因組織に対する評価法をご紹介します。

MTSSとの鑑別疾患

 MTSSとの鑑別疾患には次のようなものがあります。

  • 疲労骨折(Stress Fracture)
  • 慢性労作性コンパートメント症候群(Chronic Exertional Compartment Syndrome)

 最近の研究では、MTSSと診断された方の中には、「疲労骨折レベルの骨損傷が進んでいるケースが多い」といわれています。

そもそも脛骨は最も疲労骨折を起こしやすい骨であり、疲労骨折全体の33%を占めます。MTSSが見逃された脛骨疲労骨折である可能性は大いにあります。

そのため目の前の患者さま・クライアントさまが疲労骨折の可能性があることを常に念頭に置き、評価を行う必要があります。

 もう1つ大切な鑑別疾患があります。慢性労作性コンパートメント症候群です。下腿には4つの区画があり、それぞれ筋膜で閉じられた空間が存在します。血液循環の問題や腫れなどが起こり、慢性的に区画の内圧が高まり内部の組織を圧迫することで起こります。

トレーニングを一定量こなしたところで急激に発生するのが特徴で、医師の診断が必要です。MTSSに併発することもあるため注意が必要です。

 私たちは治療・リハビリテーションを行う上で、これらの疾患の可能性の有無を考えながら取り組む必要があります。

SKILL UP! 私のアプローチをお伝えします

他の脛骨内側に痛みを発する疾患とMTSSとの違いや類似点などを紹介し、それぞれの病態に応じた対処方法などをお伝えします。

MTSSの治療アプローチ

 骨膜の炎症症状、骨のリモデリングが正常化したら基本動作・スポーツ動作の改善へと進んでいきます。スポーツ休止中は、セルフケアや患部外のエクササイズも大切となります。

SKILL UP! 私のアプローチをお伝えします

セミナーでは、スポーツ活動の休止の判断、ジョギング・ランニング開始時期、スポーツ復帰の目安など明確なアルゴリズムをご紹介します。

 動作中の異常運動が運動療法・徒手療法によって改善しない場合は、インソールやテーピングでの介入を検討します。

インソール介入

 MTSSは長距離ランナーに多く、多くの場合は足部アライメントの問題(特にOver Pronation)を合併しています。

 また一度発生すると治りにくく再発しやすいのもMTSSの特徴です。

 長距離ランナーにおいては栄養の問題、トレーニングボリュームの問題、靴(ランニングシューズ)の問題を専門的かつ総合的に見ていく必要があります。

SKILL UP! 私のアプローチをお伝えします

ランニングの各フェーズの中で、インソール介入の仕方、そして病態に合わせたシューズの選び方について解説します。

セミナー名 脛骨内側部痛に対する理学療法
会場名 KKR北陸病院 別館研修室
会場住所 〒921-8035 石川県金沢市泉が丘2丁目13−43
開催日 2023年11月21日(火)
開催時間 20:30〜22:30
費用 3,300円
定員 30名
講師 小川 雄右先生
主催者 Diversity Lab. 林 大地